3月 | 4月 | |||
書 名 | 書 名 | 著 者 | ||
狼神 | 和田はつ子 | 鯨の哭く海 | 内田康夫 | |
錆びる心 | 桐野夏生 | 危険な恩人 | 新津きよみ | |
悪意 | 東野圭吾 | ハルモニア | 篠田節子 | |
天使の囀り | 貴志祐介 | 死に向かうアダージョ | 小池真理子 | |
葛橋 | 坂東真砂子 | 溺れる魚 | 戸梶圭太 | |
木乃伊仏 | 和田はつ子 | 灰夜 新宿鮫Z | 大沢在昌 | |
千里眼 ミドリの猿 | 松岡圭祐 |
狼神 | 和田はつ子 | ハルキ文庫571円税別 |
名門女子大学の助教授・日下部遼は、埼玉の山間部にある私立高校に招かれた。学校の裏山から、狼らしき動物の骨と、女神像が発掘されたが、その鑑定をして欲しいという──。早速、学校を訪れた日下部であったが、保健室で打ち合わせをしている間に、校内では非常事態が発生。正体不明の病気が異常なスピードで蔓延していたのだ。パニックに陥る学校を、日下部は果 たして救うことができるのか? ホラーミステリー |
||
この方の本は、今までも何冊か読んだけど、結構えぐい表現が多いの、猟奇的・・・という感じ。この本はその中でも柔らかかったかな^^;でも・・・霊的な部分が多く非現実的世界です。ホラーミステリーに分類されてます。非現実的な世界は私は好きだけど、この本の好み度は★★半☆☆くらい。 |
錆びる心 | 桐野夏生 | 文春文庫 448円税別 |
劇作家にファンレターを送り続ける生物教師の“恋”を描いた・・・「虫卵の配列」 15年ぶりに再燃した秋子との仲。池上は羊歯の絵を書く日本画家になりたい、秋子はそれを叶えてくれる人、だが・・・「羊歯の庭」 荒廃した庭に異常に惹かれる男を主人公にした・・・「月下の楽園」 お酒を飲むと昨夜のことは、何も覚えていない男。ある日妻が家出をした。そんなに酒癖が悪いのか・・・「ジェイソン」 歌舞伎町のヤクザ桜井組に、映画「仁義なき戦い」にかぶれた若者が紛れ込んだ・・・「ネオン」 十年間堪え忍んだ夫との生活を捨て、家政婦になった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは・・・「錆びる心」 |
||
6編の短編みんな私には面白かったです。犯罪の匂いのするものもあるけど、ミステリーとはいう感じではありません。 「虫卵の配列」 自分の信じている事がすべて、その事に対しては回りが見えなくなった女の心のゆがみが恐い作品 「羊歯の庭」 男の優柔不断&身勝手さと女の暗部。男の決心を試す女の恐さでしょうか。 「月下の楽園」 最後が私の予想とは違いました。はい、読んでください。 「ジェイソン」 お酒って恐いですね、飲まれないようにね。友達も家族も失ってしまうかもしれませんよ、という作品でしたね^^;;; あと、「ネオン」「錆びる心」も読んで面白かったよ〜 「錆びる心」 10年間家を出ることだけを思い堪え忍んだ主婦の、夫への復讐は、夫の誕生日に家出するというもの、恐いですねぇ^^;でも、その後の家政婦に入った先での死にゆく男の心の暗部もかなり勝手で恐いものです。 この本は★★★半☆ |
悪意 | 東野圭吾 | 講談社文庫629円税別 |
人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された、第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみの野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人はなぜ人を殺すのか。 |
||
最初のうちに犯人はわかってしまうけど、そこから二転三転・・・刑事加賀が探し出した動機も・・・これ以上書くとネタバレかー^^;しかし、悪意とは良くつけた題名ですね、ほんとに悪意に満ちた1冊でした。最後まで一気に読ませてくれて面白い1冊でした |
天使の囀り | 貴志祐介 | 角川ホラー文庫762円税別 |
北島早苗は、ホスピスで終末医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、アマゾン調査隊に参加してから、人格が異様な変容を見せ、恐れていた「死」に魅せられたように自殺してしまう。他の調査隊のメンバーも異常な方法で自殺していく。アマゾンで何が起きたのか?「天使の囀りが聞こえる」とは何を意味するのか? |
||
自分にとっての恐怖とは・・・いったいなんだろう・・・幽霊?じゃ私の場合は幽霊を見ようと頑張るのか? ̄(=爆=) ̄いやーー冗談ではなく、ある意味とても怖くて気持悪い本でした。クモを食べちゃうあたりとか、最後の方のバスルームの場面とか、目に浮かんできちゃうんですよ、民話も怖かったです、あれってほんとの民話じゃないですよね?現実になさそうでありそうなお話でした。 |
葛橋 | 坂東真砂子 | 角川文庫476円税別 |
この世と黄泉の国を結ぶといわれる蔓橋。この橋を渡って、死んだ妻の御縁が今、甦える。俺に会うために…。男と女の心に潜む亀裂と官能が、深い闇から浮かび上がる。 表題作の他に、やくざの男から姉夫婦のところに逃げてきた妹、その後の悲劇を描いた「一本樒」 海岸に打ち上げられた、鯨の糞を言われるものを拾ったことことから、皮肉な結末を描いた「恵比寿」の3本。 |
||
「一本樒」良くありそうな話だけど、人間の情念を感じさせる作品。またたび酒というものが出てくるのだけど、~(=^・^=)~がうにゃうにゃしちゃうあのままたびの実で、お酒つくれちゃうのねぇ〜、虫ごと飲むのっていのは、いくら精がついても遠慮したい(^o^;) 「恵比寿」結末が・・・なんともかんとも。 「葛橋」生きていた時、1枚1枚二人の間に薄紙が挟まっていき、その隔たりゆえに、亡くなった奥さんの影から抜け出せない男。うーーん、そんなものなのか・・・よっぽど心暗いところがあったのかと、ついこういう男の人の裏を読みたくなる。その男が葛橋を渡る事で、新しい生活を・・・と思うのだが。そうは問屋がおろさないよんって感じの結末ね。生々しい描写がありますね、そして怖い。 ちなみに私は葛橋は絶対渡りたくないと思います。あんな下が見えてゆらゆらゆれるのはまっぴらごめんです^^; |
木乃伊仏 | 和田はつ子 | ハルキ・ホラー文庫552円税別 |
日本海でクルージング中の大学生・黒枝真也たちが奇妙な死に方をした。驚くべきことに死体は、まるで塩漬けのミイラのようであった。真也は人気アイドルで、父親は次期総理大臣候補の政治家、文化人類学者の日下部と水野刑事は、すぐに現地に飛んだが・・・。真也の兄で、死体の検視をしていた芳樹が、何者かの声に導かれて、交通事故を起こし重態に陥っていた。次々と起こる奇怪な事件、何者かの恨みなのか? ホラーミステリー。 |
||
最近好きで読んでる作家なのだけど、読んでも後に残らないなぁ^^;日下部先生かっこ良くて好きなんだけね、超常現象的な犯人、おどろおどろしさはあるんだけど、いまいちそれだけのような気がする。食文化とか歴史の部分では面白いかも。 |
鯨の哭く海 | 内田康夫 | 祥伝社1700円 |
わが国の捕鯨発祥地・太地を訪れたルポライター・浅見光彦は、「くじらの博物館」で奇妙な女性を目撃する。その女性は、背中に銛が打ち込まれた漁師の人形を凝視していたのだ。直後、忽然と消えた女性は、反捕鯨派の新聞記者と心中した地元旧家の娘と似ているという。女性はいまだ遺体が発見されていない旧家の娘の霊なのか。しかし、浅見は遺書と判断された「黒枠の招待状」に疑惑を抱いた。これは心中を装った殺人ではないのか? 浅見は、記者の出身地・秩父を訪ね、夜祭りの晩に起こった殺人事件の存在を知る。秩父の事件は、やがて太地と結びついて行った…。 |
||
最近では面白い1冊でした。定番の部分はちゃんと出てくるし、これといったヒロインが出てこなかったし(笑) それに捕鯨問題には、私自身昔からちょっと興味ありましたしね。そうそう、事件も多かったですよ〜。今回のこの作品読んでて、内田センセの作品にはまって、次から次に、読み漁ってた頃のことを思い出しました。 |
危険な恩人 | 新津きよみ | ハルキ文庫720円税別 |
線路に落ちた娘・美希を助けてくれた、行きずりの美青年。堂本良子は、新聞記事がきっかけで、その男性・伊吹渉と再会した。売れない役者だという彼は、危険な魅力に満ちていた。その時、良子と伊吹のいる部屋をじっと見つめている刑事が二人いた──。伊吹は、その後、堂本家にうまく入り込み、美希ともすっかり仲良くなったが……。良家の人妻の、危険な美青年に魅かれていく女心を描ききる |
||
ドラマ的な本ですねぇ〜読んでいて、頭に浮かんできたのは、TVドラマの「隣人はひそかに笑う」だった。イメージ的にね・・・結構面白かったです。 |
ハルモニア | 篠田節子 | 文春文庫689円税別 |
脳に障害をもつ由希が奏でる超人的チェロの調べ。指導を頼まれ、施設を訪れた東野はその才能に圧倒される。名演奏を自在に再現してみせる由希に足りないもの、それは「自分の音」だった。彼女の音に魂を吹き込もうとする東野の周りで相次ぐ不可解な事件。<天上の音楽>にすべてを捧げる二人の行着く果ては・・・。 |
||
最初の出だしから、静かだけど普通じゃないな・・・という感じ。私は見なかったけど、前にTVドラマになったとか。努力の人“東野”の音楽家としてのこだわり、天才を目の当たりにした時の心の葛藤、そういったところでも読まさせてくれる、悲しくて静かだけど激しい一冊。私はこの本、面白かったです。 |
死に向かうアダージョ | 小池真理子 | 双葉文庫600円税別 |
死に魅入られた二人の男女(千尋と多門)は、甘美な充足感の中で静謐な終焉を迎えるはずだった。アルビノーニの荘厳な旋律に浸りながら・・・しかし雪に閉ざされた山小屋で、愛と孤独、そしてほんの少しの偶然が、事態を予期せぬ方向へと導いていく。アダージョに隠された真実とは!?心理サスペンス。 |
||
最初の方で、事件の真相というものが、読んでいる方はわかるのですが、その事はもちろん“千尋”は知らないわけで、泣き絶望し恨み・・・そんな千尋を見てもどかしさがあります。後半からの小池さんの話のもって行き方がうまいですね。読み始めはあんまり好きなタイプの本じゃないなーなんて思っちゃったけど。う〜〜〜でも多門の優柔不断さはちょっとイヤだなぁ〜奥さんとしたら、離婚してくれってちゃんと言われた方がいいのに・・・それを言えなくて愛人と心中なんかされたら、そっちの方が何倍も辛いのにね。 |
溺れる魚 | 戸梶圭太 | 新潮文庫590円税別 |
謹慎中の二人の不良刑事が、罪のもみ消しと引き換えに、監察から公安刑事の内偵を命じられた。その刑事は、ある企業から脅迫事件の犯人割り出しを依頼されていたのだ。脅迫は、幹部社員に珍奇な格好で繁華街を歩かせろという、前代未聞の内容だった。いったい犯人の真意とは?意表を衝く人物設定とスピード感あふれるストーリー展開が評価された作品。 |
||
とても面白い1冊でした。面白いのだけど、表現にうげっ!っとなってしまう部分もあり、この本は食事しながらは読めなかった^^;汚いと思える部分が、想像出来ちゃったからでしょうね。人物設定がかなり面白かったです、犯人グループ・不良刑事2人・公安刑事・特別監査官ヤクザ・革新派・悪徳刑事・・・ついここ最近も、刑事が企業からお金をもらっていた・・・というニュースがありましたが、この本もそんな公安刑事が出てきました。警察組織って・・・ほんと複雑なのね。恐いのがなんと言ってもこの本では特別監察官ですね。ここって治外法権か?って感じ(ちょっと意味違うかな(^o^;))でも、たくさん死者が出てるのに・・・全体的に笑えるのよ〜なぜか。 |
灰夜 新宿鮫Z | 大沢在昌 | 光文社カッパノベルズ838円税別 |
冷たい闇の底、目覚めた檻の中で、鮫島の孤独な戦いが始まった――。自殺した同僚・宮本の故郷での七回忌で、宮本の旧友・古山と会った新宿署の刑事・鮫島に、麻薬取締官・寺澤の接触が。ある特殊な覚せい剤密輸ルートの件で古山を捜査中だという。深夜、寺澤の連絡を待つ鮫島に突然の襲撃、拉致監禁。無気味な巨漢の脅迫の後、解放された鮫島。だが代わりに古山が監禁され、寺澤も行方不明に。理不尽な暴力で圧倒する凶悪な敵、警察すら頼れぬ見知らぬ街、底知れぬ力の影が交錯する最悪の状況下、鮫島の熱い怒りが弾ける。男の誇りと友情を濃密に鮮烈に描く超人気シリーズ第七弾! |
||
久しぶりの新宿鮫だったもので、ちょっと忘れてる部分もあった・・・昌が出てこなかったのは寂しかったなぁ〜でも、レギューラー陣が全然出て来なくて、新宿でもなかったけど、気にならずにページは進む進む・・・面白かったですよ〜、相変わらず鮫島さんはかっこいいし♪鮫島さん、新宿鮫と言われ新宿の極道には恐れられてるんだけど、なぜかそういうイメージはこの本からは感じられないの。新宿じゃないからかなぁ〜(爆)でもしつこさは健在って感じかな。最後はね・・・うーーん(ーー;=)\こうきましたか〜ちょっと反則〜こうするしかなかったの?もう少し違った方が好みだわー私♪・・・って感じでした(笑) |
千里眼 ミドリの猿 | 松岡圭祐 | 小学館文庫552円税別 |
嵯峨敏也は悪夢にうなされていた・・・。多重人格と判断した入絵由香の恐るべき夜叉の顔をまのあたりにしたからだ。ミドリの猿、その言葉の真意は?嵯峨はかつての恩師、倉石を連続変死事件の犯人を疑い極秘調査に乗り出した。一方、いまや『千里眼』の異名をとるに至った岬美由紀は、見えざる敵の存在を察知する。メフィスト・コンサルティング―史上最大のマインドコントロール組織がついに姿を現したのだ!千里眼2作目 |
||
「千里眼運命の暗示」に続くので、まだ中途半端な一冊。映画の催眠で、吾郎ちゃんが“嵯峨”を演じた事から、嵯峨がいつのまにか、五郎ちゃんイメージになってしまっているなぁ、本の「催眠」は全然そんなイメージじゃなかったのに。まぁそれはいいんだけど、話大きいです、こんな事ほんとにあったら恐い^^; でも、こーいう内容好き。 |