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2003BOOK


書      名 著     者 書      名 著     者
泣かない女 小池真理子 ユリイカ 青山真治
同居人 新津きよみ 涙(上) 乃南アサ
行きつ戻りつ 乃南アサ 涙(下) 乃南アサ
てのひらの闇 藤原伊織 プラスティック 井上夢人
そばにいさせて 新津きよみ タスケテ・・・ 島村洋子
黄泉がえり 梶尾真治 コールドスリープ 飯田譲治・梓河人
紅蓮鬼 高橋克彦 人生うろうろ 清水義範
ゆきの山荘の惨劇
−猫探偵正太郎登場−
柴田よしき
消える密室の殺人
−猫探偵正太郎上京−
柴田よしき
猫探偵正太郎の冒険(1)
猫は密室でジャンプする
柴田よしき
猫は聖夜に推理する
猫探偵正太郎の冒険U
柴田よしき




 1月
泣かない女 小池真理子 集英社文庫457円税別

女を泣かせたい。すがるようにして泣く女を見てみたい。男は、心の奥に歪んだ欲望を秘めていた。恋人の裏切りを契機に、男は女を泣かせ、懲らしめるための周到な計画をたてる。表題作「泣かない女」の他、日本推理作家協会賞受賞作の「妻の女友達」を含む全4篇。普通の人々の日常とその心の隙間に忍び寄る狂気を描いて、ミステリーの醍醐味あふれる傑作短篇集。

★★★



同居人 新津きよみ 角川ホラー文庫514円税別

35歳、デザイナーの麻由美は都内に新築マンションを3800万円で購入する。ローンの繰り上げ返済のためにルームメイトを募り、添乗員・乃理子との同居生活がスタートした。しかし、お互いに「秘密」を抱えているために、ぎくしゃくしはじめる2人の関係。ある日乃理子が部屋に呼び入れた女性が、2人の生活を崩壊へと向わせた―。嫉妬、虚栄心、独占欲……。女性心理の名手が紡ぎ出す、ホラー・サスペンス。

★★★★




行きつ戻りつ 乃南アサ 新潮文庫476税別

どこの家庭でもありそうな、でも他人には言えない妻の悩み―夫との冷え切った関係、姑との対立、病死した一人息子への想い、受験生を抱えるつらさ、あるいは生活費の工面や、男友達との密会だったり…。それぞれに事情を抱えた妻たちは、何かを変えたくて旅に出た。新鮮な風景と語らいが、少しずつ彼女の強張った心を解きほぐす。切ないけど温かい、家族を見つめた物語集。

★★★



てのひらの闇 藤原伊織 文春文庫590円税別

飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。
その夜、会長は自殺した!!堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。

★★★



そばにいさせて 新津きよみ 光文社文庫552円税別

恐怖は、すぐそばの日常に潜む―。自分を捨てた男を見返すため涙ぐましい努力をし、理想的容姿を手に入れた佐山ゆかり。職場も住居も替えて新生活をはじめた彼女に、悪質なストーカーがつきまとう!そいつの正体は?そして、ゆかりを守るため隣人の女性がとった意外な行動とは!?(表題作)。女性作家が同性の心理を濃やかに描きだすオリジナル作品集。

★★★★



黄泉がえり 梶尾真治 新潮文庫629円税別

あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。「泣けるリアルホラー」、一大巨編。

★★★★★



紅蓮鬼 高橋克彦 角川ホラー文庫571円税別

大宰府に流された菅原道真が亡くなって五年後の延喜八年(九〇八年)。志摩の国、賢島に禍々しき巨船が迷い込む。その翌日、八人の男がぼろきれのように惨殺される事件が起きたが、下手人は若い娘であった―。男から女へ、肉体から肉体へ、まぐあいながら人にとりつき、殺めていく淫鬼。道真の怨鬼まで甦らせた鬼の狙いはなにか。そして、陰陽道に通じる加茂一族は淫鬼に対抗できるのか!傑作歴史伝奇小説、文庫オリジナル作品。

★★★







 2月
ユリイカ 青山真治 角川文庫514円税別

バスジャック事件で人質となった運転手の沢井は、乗客の兄妹直樹・梢と共に助かるが、心に深い傷を負う。彼は街から失踪し、兄妹も母の家出、父の自殺後心を閉ざし二人だけの世界に引きこもってしまう。二年後、街に戻ってきた沢井は、兄妹の家に同居し家族のように暮らし始めるが、同じ頃連続して殺人事件が起き、そして―沢井がとった行動とは…。カンヌで世界の絶賛を浴びた映画作家が描く『癒し』と『再生』の叙事詩。デビュー作にして第十四回三島由紀夫賞受賞。

★★



涙(上) 乃南アサ 新潮文庫590円税別

「ごめん。もう、会えない」。東京オリンピック開会式の前日、婚約者で刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた萄子は愕然とする。まもなく、奥田の先輩刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していたことも判明。挙式直前の萄子はどん底に突き落とされた。いったい婚約者の失踪と事件がどう関わっているのか。間違いであって欲しい…。
真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追った。

★★★★



涙(下) 乃南アサ 新潮文庫667円税別

川崎、熱海、焼津、田川…わずかな手がかりをもとに、萄子は必死に婚約者の跡を追った。やがて捜査から、ある男が重要人物として浮上するが、勝が逃亡する理由は不明のまま。勝への思いが消え入りそうな萄子だったが、当時米領の沖縄・宮古島に彼がいる可能性を大阪で知る。島でわかった慟哭の真実とは?’60年代の出来事・風俗をちりばめ、男女の一途な愛を描いた傑作ミステリー。

★★★★



プラスティック 井上夢人 双葉文庫667円税別

新妻の向井洵子は、自分を騙るもう一人の洵子の存在に気づき慄然とする。その不安をワープロに打ち込むある日、女性の全裸死体発見の記事を目にする。顔面を切り刻まれた被害者の名前は向井洵子―。自分が殺されたことに驚愕する彼女は再びパニックに陥る。狂気と戦慄の異色サイコサスペンス!

フロッピーの中には54個ファイル、その出だしは夫の出張の帰りを待つ、向井洵子の日記から始まります、そして殺人事件、出だしはミステリー仕立てで進み、その後、登場人物がかわるがわる出てくるのですが、途中からなんとなくどういう話かわかってきます。それでも、読みやすく惹きつけるものがあるので、一気に読み終わる事が出来ました。

感想を書くとどうしても結論に結びついてしまうので、このくらいしか書けませんが、ラストがすごく良かった、読み終わってすぐはちょっと中途半端かなとも思ったけど、これ以上のラストはないかなと今は思っています。

★★★★



タスケテ・・・ 島村洋子 角川ホラー文庫438円税別

人気アイドル、橘リリカのスタンドイン(替え玉)として暮らす藤村しのぶ。彼女もまた、芸能界の頂点に立つことを夢見た少女だった。そんなしのぶの過去を知らないリリカは、無邪気に彼女の心を逆撫でしていく…。嫉妬、憎悪、怨念…女性の本質的な狂気を現実と虚構の狭間から描いた戦慄のサイコ・ホラー。

★★★



コールドスリープ 飯田譲治・梓河人 角川ホラー文庫600円税別

フジオが裸で目覚めたのは、奇妙なカプセルのなか。それはなぜか、古びた教室の真ん中に置かれていた…『コールドスリープ』。愛する夫が依頼したマンションの改装工事。怪しげな二人の作業員は、部屋を閉ざしていったい何をしている?『破壊する男』。啓太と美菜子の愛を阻むもの。それは二人が近づくと、どこからともなく降ってくる石、石、石!『その愛は石より重いか』。他一編を収録。恐怖と笑い、愛と憎悪、現実と非現実が融合した飯田譲治ワールド。

コールドスリープは12月から公開されている短編映画集「Jam Films」の中の一作、観たいのだけど渋谷・・・もっといろんな劇場でやってくれないかしら。
この『コールドスリープ』は、SFなんだけどちょっと読んでて気が抜けちゃうというか、お笑いSFみたいでした。

★★★



人生うろうろ 清水義範 講談社文庫495円税別

一流企業の課長が、酔っぱらった勢いで墓をいくつもひっくり返して、警察に捕まってしまった。課長をとんでもない暴挙に駆りたてた理由を描く「野間家先祖代々之墓」。妊婦の家族の悲喜劇がバカバカしい「蛭子坂産婦人科」。就職、結婚、出産、離婚、転職など、人生の転機を清水流にスケッチした傑作短編集。

どこにでもありそうな人生の一コマを軽いユーモアで書かれています。この作家は文章が読みやすいですね。
★★★



ゆきの山荘の惨劇−猫探偵正太郎登場− 柴田よしき 角川文庫571円税別

オレの同居人、作家の桜川ひとみは、山奥の「柚木野山荘」で開かれる結婚式に招待された。そして、無理矢理連れてこられたオレ(しかも一服盛られて!)。山荘で待っていたのは幼なじみのサスケと美猫トマシーナとの出会い、しかしそれだけではなかった。オレは次第に怪しげな雰囲気に飲み込まれていく。新郎・白石へ脅迫状が舞い込み、土砂崩れで山荘は孤立、そしてとうとう最初の犠牲者が…。毒死、転落死、相次ぐ死は事故か殺人か?猫探偵正太郎が活躍するシリーズ第一弾。本格ミステリー。

★★★★★



消える密室の殺人−猫探偵正太郎上京− 柴田よしき 角川文庫571円税別

何も聞いてないよ―。またしても同居人の突発的な旅行につき合わされることになったオレ。今度は東京だ。嫌な予感がしていたのだ。上京したオレを待っていたのは猫、猫、猫。そしてやはり、死体。しかも人間の死体とともに、友だちになったばかりのアビシニアン、デビッドも死体で発見される。殺人?自殺?そんなことには興味ないが、殺「猫」犯は見つけださなきゃならない。しかし、密室で誰が、どうやって人間と猫を殺せたのか。オレは他の猫たちと犯人を追い詰める。本格ミステリーシリーズ第2弾。

★★★★★



猫探偵正太郎の冒険(1)猫は密室でジャンプする     柴田よしき カッパ・ノベルズ819円税別

名前・正太郎(雄猫)、毛色・八割黒に二割白(長めの毛足)、飼い主・桜川ひとみ(ミステリー作家)、住まい・琵琶湖近郊、友犬・サスケ、特技・推理―。長編『ゆきの山荘の惨劇』『消える密室の殺人』(角川文庫)で鮮烈に登場した猫探偵の六つの事件簿は、こだわりや仕掛け、企みやいたずらが満載。さあ、正太郎といっしょに夢と、いや、推理と冒険の旅に出発。

★★★★★



猫は聖夜に推理する 猫探偵正太郎の冒険U 柴田よしき カッパ・ノベルス800円税別

クリスマス・イヴの夜、推理作家・桜川ひとみはリビングで膝の上の猫・正太郎に語りかける。イヴの失恋の思い出。結局、彼に渡せなかったクリスマス・プレゼントのこと。「プレゼントは、いったい何だったでしょうか。推理してください」正太郎は小首を傾げ、「答」を示した…(「賢者の贈り物」)猫が論理のアクロバットを展開する本格推理!人気シリーズ、今回は、恋に悩むあなたを正太郎が癒やしてくれるラブ・ストーリーも。さらには、宇宙を駆けめぐる「番外編」が。

★★★★★


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